日本農林種菌にほんのうりんしゅきん株式会社 

このホームページは、主に原木を利用して上手にきのこ栽培を行うために必要な知識・商品などを紹介するものです。
きのこ栽培・害菌と雑菌

伏せ込み地では、常にキノコ菌と害菌が競争しています。

自然食品として大きく伸びてきたキノコですから、できるだけ薬剤の使用は避けたいものです。

良い伏せ込み地を選定しても、害菌の発生があった場合には、環境の改善を必要とします。
強乾燥性 ヒイロタケ クロボタンタケ スエヒロタケ- - -
弱乾燥地 ヌルデタケ シトネタケ属 - - -
弱湿性 ヒメアカコブタケ ゴムタケ クロコブタケ - -
湿性 カワラタケ カイガラタケ ダイダイタケ コウヤタクタケ属 トリコデルマ菌
強湿性 シワタケ アナタケ - - -
 5月上旬~6月上旬  ゴムタケ・トリコデルマ菌・胴枯病菌
 6月中旬~8月  クロコブタケ・トリコデルマ菌・シトネタケ属・ダイダイタケ・ヌルデタケ・クロボタンタケ
 9月以降  クロコブタケ・ヒメアカコブタケ・カワラタケ・カイガラタケ・アナタケ・コウヤクタケ
カワラタケ
環境適応性が広く、腐朽力は強い。
環境の改善をはかるとともにキノコは刃物で削り取る。

ダイダイタケ
湿気の多い場所を好み、湿度の高いほだ場、又は大径木や
水抜けの悪いほだ木に多く発生する。対策として通風を
よくする事と、生木については枯しこみを重点に管理する。
アカウスバタケ
高温多湿6月下旬~7月上旬の降雨の跡に樹皮面に現れることが多い。シイタケ菌を速やかにまん延させること。
広葉樹の枯れ幹、枯れ枝、切り株などに発生しほだ木に寄生。
トリコデルマ菌
梅雨期や秋雨の頃に発生する。
伏せ込み地の過湿やほだ木の水分が抜けてないなどが要因。

クロボタンタケ
直射日光の当たるほだ木に見られる。
シイタケ菌を死滅させる。
クロコブタケ
多湿の伏せ込み地で発生。新芽の出る前に伐採したほだ木に多い。
カイガラタケ
温度が高く、通風が悪く、多湿と成りやすい伏せ込み地に多く発生する。明るい伏せ込み地にも見られる。
アナタケ
通風不良で高温多湿の伏せ込み地に発生。
キウロコタケ
やや湿り気の多い伏せ込み地に多く発生。
ゴムタケ
ほだ木が生木に近い状態で、過剰な水分を含んでいる場所に
発生しやすい。
アカコブタケ
クロコブタケと同じく、但しクヌギ・コナラには発生しない
オオボタンタケ
シイタケ菌の繁殖が不良なほだ木、あるいは、ほだ木内部が
生材の状態に多く発生。シイタケ菌を死滅させる。
カミウロコタケ
高温多湿な環境下に発生するが、実際にはシイタケほだ場として
適した環境下で発生する。
シトネタケ属 左:幼菌 右:成菌
直射日光が当たると発生しやすい。クヌギに多く発生し、大きな
被害を与えることもある。
シワタケ属
梅雨期から夏秋期にかけ、通風が悪く、高温多湿となりやすい
伏せ込み地に発生し被害は大きい。
コウヤクタケ属
通風が悪く過湿の伏せ込み地のほだ木の地面に接している
木口等に発生。トリコデルマ菌の侵害部分に二次的に発生しやすい。
スエヒロタケ
日当たりが強く乾燥した伏せ込み地に発生しやすい。
ヌルデタケ
直射日光を受けたほだ木に多発する。乾燥気味の環境を好んで発生する。
ヒイロタケ
広葉樹の枯れ木に群生する。
直射日光によるほだ木の温度上昇が発生の誘因となる。
ヒメアカコブタケ
高温多湿なほだ場に発生する。梅雨入り前に、ほだ場の周囲を
刈り払い,通風を良くする。

資料提供:静岡県環境森林部林業振興室